想像マネジメントのすゝめ

中間管理職、店長の為のマネジメント手法を紹介。 店舗運営ノウハウも紹介していきます。

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「どの会社でも社員の愚痴が止まらない。」

総務省統計局によると、平成28年の企業数は、約385万企業。
この内の約4割が、法人(いわゆる会社)と言われているため、日本に存在する会社の数は、150万社を超える。

昨今の少子化を踏まえると、就職は売り手市場が続き、社員は会社を選ぶ側になっており、今や転職が当たり前の社会ですね。

こういった現代背景の中、辞めても次の就職先があるという社員の認識から、会社のあら探し、細かいことへの愚痴が出やすくなっているという傾向もあるかもしれません。

自分が働いた会社でも事実、会社への愚痴は止まることがありません。
では、なぜ社員から、会社の愚痴が止まらないのでしょうか?

かの有名な戦国武将、武田信玄の格言にこういった内容があります。

真剣だと、知恵が出る。
中途半場だと、愚痴が出る。
いい加減だと、言い訳ばかり。


今回は、この内容を実際の会社組織に当てはめて具体例を考えました。

「真剣」「中途半場」「いい加減」という言葉は、抽象的な表現ですので、
逆から考えてみます。

会社から緊急の対応を迫られた時の始末


上司から緊急の対応を依頼されることは、良くあることです。
※特に、中小企業やオーナー会社。

そういった場合、それぞれどういった対処を行うのでしょうか?

(1)言い訳ばかりの人の傾向

・緊急を理由に上司に無許可でやらない。

これは、大袈裟かもしれませんが、緊急で依頼された必要な仕事を上司の断りなしに行わないというのは、日頃から仕事をする気がないということになります。

言い訳ばかりの人は、他の社員と比較して、仕事の遂行度が低いということはないでしょうか?

言い訳ばかりの人 → 与えられた仕事をしない人

(2)愚痴が出る人の傾向

・緊急対応を遂行するが、後から緊急対応が発生したことについての否定をする。

このパターンが組織では多いと思います。
ほとんどの社員が、緊急であれ会社で決めたことはとにかく対応してくれます。
ただ、その後に緊急対応が発生した事実については、人ごととして扱い、
何故、そうなったかを考えず、自分への被害を中心に物事を考えます。

ただ、一方では、愚痴が出る人は、愚痴を考える時間があったり、愚痴を他人に表現できるほどの表現力があったりもします。

愚痴が出る人 → 与えられた仕事はこなす人

(3)知恵が出る人の傾向

・緊急対応を遂行し、後に同じことが起きた際の改善案を出す。

こういった考えが出来る方は、おそらく組織を引っ張っていくリーダーもしくは、その候補となっている可能性が高いですね。

知恵が出る人は、なぜ緊急対応が発生したかを理解し、次に同じことが発生した場合にもっと迅速に対応出来る術を考えています。

知恵が出る人 → 与えられた以上の仕事をする人

暇だから愚痴が出る。


武田信玄の格言を例に出し、それぞれの人物像の傾向を具体化しましたが、
皆さんの所属する組織では当てはまる方は見当たりましたか?

私の所属する組織の知恵が出る人は、とにかく仕事が忙しい人が多いです。
1つ1つを考えて1日にいくつもの仕事をこなさなければいけない。
そういった人からは、知恵が出てきます。

自分が今ある仕事をスムーズにこなすには、知恵が必要だからです。

逆に愚痴が出る人は、余裕があることがほとんどです。
1日にいくつもの仕事をこなすのではなく、与えられた最低限の仕事をすれば良いと考える人がほとんどで、やるべき仕事を与えられていない人が多いですね。

愚痴が出る人は、愚痴を考える余裕があるので、仕事量は本人の能力に対して少なすぎるかもしれませんね。


真剣を増やし、愚痴を減らす


愚痴を少しでもなくすためには、真剣に仕事をする人を増やすことが一番です。

愚痴が出る人について、仕事の量が適正かを見極め、仕事をもっと与えることを考えましょう。
仕事の量が増え、自身のやるべきことが増えると、真剣になり知恵が出ることも増えるかもしれませんね。

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前回は、ショプビジョンの内容について記載しましたが、今回は、具体的な作り方について、記載していきたいと思います。

今までの説明の中のポイント

  • 自分と世界を良くする内容
  • 文字の拡散情報(メンバーにプレゼンし理解してもらう。)
  • 母国語で20文字以内
  • 未知の世界(今は、難しいが近い将来実現したい内容)

上記のことを念頭に置いて、作っていきます。

ショップビジョンは、ショップメンバー全員に理解してもらう必要がありますので、1番良いのは、メンバー全員の意見を聞くということです。

ショップ運営の中で、メンバー全員が集まる時間を作ることは、シフトの都合もあり、なかなか難しいと思います。

限られた時間を有効に使い、メンバー全員の意見を聞くには、工夫が必要です。

(1)1人1人事前に説明してから宿題を出す。

まずは、メンバー1人1人に、このショップビジョンを作る意味を説明します。
説明としては、
このお店を全員で良くするために、どんなお店になれば、お客様に喜んでいただけるか、どんなお店にしたいかを決めて、全員で実現するために、ショップビジョンを決めたい。
と、キーワードとしては、「メンバー全員」「お客様に喜んでいただける」を「自分も喜べる」をテーマに考えてきてもらいましょう。

きちんと、そもそもショップビジョンをなぜ作るかということを、説明すれば、必要性を理解し、メンバー個人個人が内容を考えてきてくれます。

(2)随時確認し、気になったワードをメモしていく。

考える指示を出したら、2日、3日したら、本人にアイデア出しの進捗を確認します。
これは、営業時間中の閑散時間で構いません。
面と向かって話すと、警戒心も出ますし、メンバーは、上司に指示されたことに対して正解を探し始めてしまうからです。

通常の営業時間中に立ち話で聞くと、店頭では、基本的にお客様対応が第1優先ですから、お客様にきた段階で、接客を行うのでメンバーとしては、考えずにちょっとしたアイデアが出てきたりします。

その内容をメモします。

これをスタッフ全員に確認し、気になったワードを随時まとめておきます。

(3)メンバーのワードをまとめ案を作る。

ノートに書いた各個人のワードを眺めていきましょう。

共通する内容がいくつか出てくると思います。
共通した内容は、ひとまとめにして絞っていきます。

共通項目を絞ったら、キーワードを拾ってまとめておきます。

(4)全員で決定する。

最後に、ショップビジョンを決定するわけですが、決定するときは、スタッフ全員が集まるときにしてください。

全員同じ認識でショップビジョンを広めるには、時間の効率を考えブレをなくすという意味でも、全体ミーティング等、全員が集まるタイミングがいいと思います。

必要であれば、上司にも参加してもらうと、より浸透性が深くなりますし、ショップビジョン実現のために、上司も協力してくれるはずです。


したいお店にするには、自分の力だけでは、到底出来ませんので、メンバー全員の知恵を出し合い、ショップビジョンを作ることで、進むべき方向性を全員で実行できることになりますね。




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前回は、ブレずに広めるという内容でショップビジョンの構成について記載しましたが、今回は、ショップビジョンの中身の考え方について記載していきます。

第1話の「ショップビジョンとは」という内容の中に、「自分と世界を良くする方法」ということで締めくくりましたが、この「良くする」ためにどのように内容をショップビジョンにすればいいのでしょうか?

「良い」というのは、人によって何が良いかは、異なってきますし、一言で「良いお店」と言っても具体性に欠けます。

今や、誰もが使っているスマートフォンを眺めてみてください。
特徴を思いつく限り書いていきましょう。
  • タッチパネル
  • 色々な昨日のアプリが使える。
  • 大画面液晶
  • 電話ができる。
  • メールができる。
  • 音楽が聴ける。
  • インターネットができる。
  • 電車に乗れる。
  • 買い物ができる。
  • 写真が撮れる。
  • 動画が撮れる。

などなど、色々なことができますよね?
これがあることで、生活が便利になり、世界が良くなっているはずです。

今は、これが一般的に浸透して、当たり前になっていますが、自分のような30代後半以上の世代だと、昔では考えられなかったことです。

私は、ポケベルというものも経験しましたが、それが、携帯電話(ガラケー)になり、スマートフォンというように時代を重ねて便利になってきたわけです。

では、ポケベル時代にスマホを作るなどと言ったビジョンを描く人間は、どのように思われるでしょう?

周りからは、「現実不可能なことを言っている。」「無理に決まってる。」「夢物語だ。」等、否定されるはずです。

現在では、あるのが当たり前の世界。
これが、スマホの良さを知っている「既知の世界」だとすれば、

ポケベル、ガラケー時代に「スマホが普及している世界」は、「未知の世界」ということです。


つまり、ビジョンは、「未知の世界」である必要があります。

話を元に戻すと、ショップビジョンは、「自分と世界を良くするもの。」にしなくては、いけませんが、すでにあるビジョンではなく、これからこうなる近い未来の「未知の世界」を想定して作らなければなりません。

聞いただけで、「誰もが良い」と思うことではなく、否定的な意見「そんな店舗無理だよ。」とか、「普通にやってればそうなる。」等簡単なものではいけません。


自分の担当する化粧品店舗で良いなと思ったショップビジョンの例を記載していきます。


姫路の店舗の場合

「姫路1世帯1商品」
→姫路の1世帯に必ず、販売ブランドの商品を1つ持っている状態にしたいというショップビジョンです。

普通に考えると、姫路の世帯全部に、自社商品を持ってもらえるなんて、実現不可能ですが、その裏側では、どの年齢層のお客様にもしっかりとした接客をして、そのお客様のご家族や友人まで世代や性別を問わず、楽しんでいただけるお店を作ろうという意思が感じれた「未知の世界」を鳥居入れたショップビジョンだと感じれました。

広島の店舗の場合

「人から人へと繋げる中国地方の住人が集まる店舗へ」
→中国地方唯一の店舗ということで、岡山、鳥取、島根からもきて楽しんでいただくというショップビジョンです。

こちらも、県外から自分の店舗のために2時間以上かけてくる人がどれだけいるんだろうと否定的な意見も出るとは思いますが、こちらも、1人のお客様に丁寧に接客をして、それが、口コミで広がり少しずつでも、他県の方でも寄ってもらえるお店ということで、年々そういったお客様も増えてきています。


こう言ったように、一見実現不可能な、「未知の世界」を目指せるようにショップビジョンは、作ってください。

スマホのように、今は、「未知な世界」でも、将来「既知な世界」となるかもしれないですね。

次回は、ショップビジョンの作り方についてまとめたいと思います。



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